【シニア向け】地方の空き家活用にかかる費用と支援:使える補助金や相談先を探すヒント
地方で空き家を活用した新しい暮らしや、地域に根差した活動を始めてみたいとお考えの皆さん、こんにちは。「地方暮らしビジネス図鑑」編集部です。
「空き家活用に興味はあるけれど、一体いくらくらいお金がかかるのだろう?」「まとまった資金がないと無理なのでは?」と、費用について不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、リタイア後のセカンドライフでは、資金計画はとても大切な要素になります。
この記事では、地方の空き家活用にかかる可能性のある主な費用について整理し、費用負担を軽減するために知っておきたい補助金や支援制度、そしてどこに相談すれば良いのかについて、分かりやすくご説明します。難しい話は抜きにして、まずは全体像を掴み、一歩踏み出すためのヒントにしていただければ幸いです。
空き家活用にかかる可能性のある主な費用
空き家を活動拠点として活用する場合、様々な費用がかかることが考えられます。全てが必要になるわけではありませんが、どのような費用があるかを知っておくことは、計画を立てる上で重要です。
考えられる主な費用は以下の通りです。
- 物件の取得費用: 空き家を購入する場合にかかる費用です。物件価格だけでなく、仲介手数料、登記費用、不動産取得税なども含みます。賃貸の場合は、敷金や礼金、仲介手数料などがかかります。
- 改修・リフォーム費用: 活用する目的(住居、店舗、交流スペースなど)に応じて、建物の状態を整えたり、必要な機能を追加したりするための費用です。屋根や外壁の修繕、水回りの改修、間取り変更など、工事の内容によって費用は大きく変わります。
- 設計・申請費用: 大規模な改修を行う場合や、用途を変更する場合(例:住居から店舗へ)には、設計費用や建築確認申請などの手続き費用がかかることがあります。
- ライフラインの整備費用: 電気、ガス、水道、通信環境などを新たに契約したり、引き込み工事を行ったりする場合にかかる費用です。
- 税金: 不動産を所有しているとかかる固定資産税や都市計画税。事業を行う場合は、所得税や住民税、事業税などがかかることがあります。
- 維持管理費用: 建物の定期的なメンテナンス費用、光熱費、通信費、火災保険料など、活動を続ける上で継続的にかかる費用です。
- 運転資金: 活動開始後の当面の経費(材料費、消耗品費、広告宣伝費など)として準備しておく資金です。
「これだけかかるのか…」と少し心配になった方もいらっしゃるかもしれません。しかし、大切なのは、全ての費用を一度に負担する必要はないということ、そして、工夫次第で費用を抑える方法があるということです。
費用負担を軽減するためのヒント:補助金や支援制度を知る
地方での空き家活用や移住を促進するため、国や多くの地方自治体では様々な補助金や支援制度を設けています。これらの制度を上手に活用することで、費用負担を大きく軽減できる可能性があります。
具体的にどのような制度があるかを見てみましょう。
- 空き家改修補助制度: 地方自治体が、空き家を改修して居住したり、特定の目的に活用したりする場合に、改修費用の一部を補助する制度です。補助の対象となる改修内容や金額、条件(移住者であること、特定の地域にある空き家であることなど)は自治体によって異なります。
- 移住・定住促進補助金: 地方への移住を促進するために、家賃補助、引越し費用補助、住宅取得補助、または空き家改修費用の一部を補助する制度です。年齢や世帯構成など、シニア世代も対象となる制度が多くあります。
- 特定創業支援等事業: 特定の業種で新たに事業を始める際に、補助金や融資制度の優遇、専門家によるアドバイスなどが受けられる制度です。空き家を使ったビジネスを始める場合に利用できる可能性があります。
- 国のリフォーム関連補助金: 耐震改修や省エネルギー改修など、特定の目的のリフォームに対して国の補助金制度があります。これらが空き家改修に適用できる場合もあります。
これらの制度は、お住まいになる地域や、空き家をどのように活用したいかによって、利用できるものが変わってきます。制度ごとに申請時期や条件が細かく定められていますので、ご自身の状況に合った制度を見つけることが大切です。
また、補助金や支援制度以外にも、以下のような方法で費用負担を減らす工夫ができます。
- DIY(自分で改修する): 専門業者に全てを依頼するのではなく、自分でできる範囲の改修を行うことで、工事費用を抑えることができます。ただし、安全には十分配慮が必要です。
- 地域の人の協力を得る: 地域の方に専門知識やスキルがある場合、アドバイスをもらったり、一緒に作業を進めたりすることで、改修費用を抑えられるだけでなく、地域との交流を深めることにもつながります。
- 小規模から始める: いきなり大規模な改修や事業を始めるのではなく、まずは小さなスペースだけを整えて使ってみるなど、段階的に進めることも費用を抑える有効な方法です。
どこに相談すれば良いか:情報収集の第一歩
「どのような補助金があるのか分からない」「自分の考えている活用方法で制度は使えるのだろうか?」といった疑問は、一人で抱え込まずに、まずは相談してみることが一番です。
空き家活用や資金に関する情報を得るために、以下のような窓口に相談してみましょう。
- 地方自治体の空き家担当窓口・移住相談窓口: これが最も基本的な相談先です。お住まいまたは空き家のある市区町村役場に、空き家に関する部署や移住・定住を支援する部署があります。その自治体独自の空き家補助金や移住支援制度について、最も正確で詳しい情報を得られます。電話や窓口で、まずは「空き家を活用したいと考えている〇〇歳の者ですが、費用について相談したい」と話してみましょう。
- 地域の不動産業者: 空き家物件の情報だけでなく、地域の家賃相場や改修費用の目安、賃貸や売買に関する手続きについて相談できます。空き家バンクと連携している業者もあります。
- 地域の建築業者・工務店: 改修を検討している場合、建物の状態を見てもらい、おおよその費用や改修方法について相談できます。補助金制度に詳しい業者もいます。
- 地域の金融機関: 空き家購入や改修のためのローン、事業資金の融資などについて相談できます。
- 地域おこし協力隊やNPOなどの地域団体: 地域に根差した活動をしている団体が、空き家活用に関する情報提供や相談支援を行っている場合があります。地域のネットワークや活動の様子を知る上でも参考になります。
まずは、お住まいになりたい、または空き家のある自治体の役場に連絡してみることをお勧めします。窓口の方に、ご自身の年齢や今の状況、空き家を使ってどのような暮らしや活動をしたいと考えているかを伝えてみてください。きっと、役に立つ情報や次のステップが見えてくるはずです。
まとめ
地方での空き家活用は、新しい暮らしや生きがいを見つける素晴らしい機会になります。費用について漠然とした不安があるかもしれませんが、今回ご紹介したように、様々な費用を理解し、利用できる可能性のある補助金や支援制度、そして相談先を知ることで、その不安を和らげることができます。
全てを一人で解決しようとせず、まずは自治体の窓口や地域の専門家、活動団体に相談してみましょう。きっと、皆さんの「地方で空き家活用」への一歩をサポートしてくれるはずです。
この情報が、皆さんの空き家活用の一助となれば幸いです。